発端
6月20日にリリース予定の「DaDiDa」。
この曲は最近作った曲ではない。
元になっているのは、
30年以上前にバンドをやっていた頃のオリジナル曲だ。
最近のBeatroseでは、
「昔の楽曲の再生」
を活動テーマのひとつにしている。
当時の曲を、
今の制作環境で蘇らせる。
今回もそんな挑戦だった。
現状認識
実はDaDiDaだけではない。
10年くらい前の宅録時代の曲も、
いくつか手元に残っている。
例えば「SMILE」という曲。メロディも悪くない。
アレンジもそこそこ納得している。
今聞いても普通に感動できる。
問題は曲ではなかった。
音質。MIX。音圧。
当時の制作環境の限界。
曲としては成立している。
でも対外的に出せるクオリティではなかった。
そんな作品たちが、ずっと手元に残っていた。
Sunoの使い始めのころから、
ちょこちょこCover機能は試してた、
この曲に。
なかなか納得いく出来にならんけど、
そのうちなんとかなると思っていた。甘かった。
構造
本腰いれて、Coverを試してみる。
イントロ。ええやん。
Aメロ。ええな。
Bメロ前半。ええけど、、
Bメロ後半から様子がおかしくなる。
メロディが変わる。展開が変わる。
Sunoなりの”おすすめアレンジ”が始まる。
しかも毎回違う方向へ。再解釈いらんって。
原曲の再現だ。
しかしAIは、もっと良くしようとしているのか、
別の曲にしようとしているのか、
どんどん離れていく。
原因は断定できない。
ただ、有力だと思った仮説は2つある。
ひとつ目。
コンテキスト不足説。
Cover機能は原曲を分析しながら進めている。
しかし曲が長くなるにつれて、
保持できる情報量の限界へ近づく。
その結果、
後半になるほど原曲情報が薄れ、
AI側の補完が強くなる。
ふたつ目。
楽曲構成パニック説。
DaDiDaの構成が、
AIから見ると予測しづらかった可能性。
自分では普通のつもりでも、
学習データ上では少数派だったのかもしれない。
その結果、
「こう続くべきだろう」
という平均解へ補正された。
どちらが正解かは分からない。
たぶん両方少しずつ混ざっている。
判断
結局、
Suno単体では解決できなかった。
そこで発想を変える。
曲を4分割する。
各ブロックを個別にCoverする。
短い区間だけを厳密再現させる。
短ければ、完璧にメロディラインをトレースする、できる。
最後にDAWで結合する。
完全に力技だけに、土曜日がほぼ消えた。
でも、ようやく納得できる形へ辿り着いた。
本質
今回かなり面白かった。
AIに曲を作らせることより、
AIに曲を守らせることの方が難しかった。
ゼロから新曲を作るなら自由度は高い。
むしろ得意分野だと思う。
でも、既存メロディーラインを
本気でなぞらせようとすると
急に難しくなる。
AIは創造が得意。
変化も得意。
提案も得意。
でも、
忠実な再現は意外と苦手だった。
たぶん、
それはAIの欠点というより、
設計思想そのものなんだと思う。
結論
昔の曲を復活させる。
言葉にすると簡単だ。
でも実際には、
昔の曲を知っているのは自分しかいない。
AIも知らない。
世の中も知らない。
だから最後は、
「そこ違うんだよな」
と言い続ける作業になる。
おかげで土曜日は消えた。
でも、
ずいぶん前に自分が作った曲が、
今の環境で蘇った。
そのために使った土曜日なら、
まあ悪くない気もしている。


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