発端
DaDiDaのShortsを、15秒にした。
理由は単純で、もう少し入口を軽くしたかったからだ。
従来版は38秒。1993年当時の素材から始まり、現代版へつなぐ構成だった。
その動画は視聴継続61.2%。再生は約1,021回。
悪くない。むしろ今のBeatroseではかなり良い方だった。
そこで次は、もっと短くしてみることにした。
冒頭、1993年当時の素材を約7秒。
その後に現代版を約8秒。
途中にあるVHS排出、メディアプレイヤー再生の演出は削除。
15秒。
これなら最後まで見られやすくなるんじゃないか。
そんな、わりと普通の仮説だった。
22.4%
9月3日、朝7時に投稿した。
結果。
約988再生。
平均視聴率53.5%。
視聴継続22.4%。
スワイプ77.6%。
視聴継続だけ見れば、かなり落ちた。
61.2%から22.4%。
ここまで落ちるとは思っていなかった。
でも、再生数を見る。
988。
……また1000近辺。
61.2%でも約1000。
22.4%でも約1000。
じゃあ何なんだよ。
15秒化が悪かった、では終われない
ここで「15秒化失敗」と言えば話は早い。
でも、それだと雑すぎる。
今回変わったのは尺だけではない。
従来版は20時前後の投稿が中心だった。
今回は朝7時。
従来版には冒頭フックがあった。
今回はフックなし。
さらに、冒頭Aの1993年素材そのものは、従来版で61.2%を取った実績がある。
だから、Aが弱いとも言い切れない。
15秒が悪いとも言い切れない。
朝が悪いとも、フックなしが悪いとも、まだ言えない。
一個ずつ見たいのに、一回の投稿で複数の条件が動いている。
実験としては、たいへん美しくない。
1000付近に戻ってくる
しかも、この違和感はDaDiDaだけではない。
Quiet Night。
Sand Whisper。
Velvet Noise。
他のShortsでも、800〜1000前後まで行って止まる投稿が何度も出ている。
もちろん、YouTubeに「1000クラス」みたいな公式ランクがあると確認したわけではない。
チャンネルに経験値があって、それで配信上限が決まる、と分かったわけでもない。
そこは仮説でしかない。
ただ、Beatroseの実測として、違う曲、違う動画、違う指標なのに、最終的な再生数だけが同じ帯へ戻ってくる現象は繰り返し見えている。感覚として、そこに確実になにかある。
今のところ言えるのは、それだけだ。
公式は聞かれても、答える気はない
この現象と少しちがうが、FullMVのインプレッションが全く上がらない事象が続いている件、TeamYouTubeに聞いた。
返ってきたのは、視聴者が何を見ているか、何を好むか、どの動画をどれくらい見るかなど、複数の要素で決まるという説明と、一般的なヘルプへの案内だった。
それ自体は間違っていないんだと思う。
でも、知りたいのはそこから先だった。
なぜ61.2%でも約1000で止まり、22.4%でも約1000まで行くのか。
何が次の配信拡張を決めているのか。
チャンネル単位の評価がどこまで効いているのか。
そこまでは分からなかった。
だったら、自分の数字で追うしかない。
今度は、時間だけ変える
次は9月4日の夜。
9月3日朝と同じ15秒動画を使う。
投稿パラメータも同じ。
主に変えるのは投稿時間。
朝7時から、夜20時台へ。
これで数字が大きく変われば、投稿時間が効いた可能性は少し上がる。
変わらなければ、朝だったことだけでは説明しにくくなる。
ただし、ここでまた面倒なものが出てくる。
同じ動画を再投稿している。
それ自体が別の条件になる可能性がある。
時間を切り分けたいのに、再投稿という新しい変数が入る。
一つ潰すと、一つ増える。
Shortsの検証、だいたいこうなる。
夜に戻したら、370で止まった
9月4日、夜20時台。
9月3日朝と同じ15秒動画を、同じ投稿パラメータで再投入した。
変えたかったのは投稿時間だった。
結果は370再生。
視聴継続16.2%。スワイプ83.8%。平均視聴時間8秒。Shortsフィードからの流入98.4%。
朝版の988から、さらに落ちた。
しかも配信は370付近まで進んだあと、ほぼ水平になった。
「朝7時だったから弱かったのでは」という仮説を確かめるつもりだったが、夜に戻して改善するどころか、結果はもっと悪かった。
ただ、この370をそのまま「夜が悪かった」と読むこともできない。
理由は一つ。
前日に出したものと、完全に同じ動画を再投入している。
時間帯を切り分けたかったのに、「同一動画の再投入」という別の条件が前面に出てきた。
実際、今回の配信量は朝版の半分以下まで縮んだ。一方で、見始めた人の平均視聴時間は8秒。15秒動画の約53%で、朝版の平均視聴率53.5%とほぼ同じだった。
入口の視聴継続は22.4%から16.2%へ悪化している。だから370の原因を再投入だけに決めることはできない。
それでも、今回の結果を受けて、Beatroseでは同一動画の再投入による配信抑制を次に疑うべき第一仮説として扱うことにした。
少なくとも今回、投稿時間だけを綺麗に切り分ける実験にはならなかった。
時間を一つ動かしたつもりが、再投入という別の変数が残ったからだ。
コトの本質って
こういう検証を始めると、すぐ答えが見つかると思っていた。
尺を短くする。時間を変える。フックを変える。数字を見る。
でも実際は、一個変えるたびに別の条件が顔を出す。
視聴継続が良ければ伸びる。短ければ伸びる。夜なら伸びる。
そんな単純な形には、今のところなっていない。
何を出しても1000まで配られるわけではない。今回、370で止まる投稿が実際に出た。
一方で、条件も入口指標も違う二本が1000付近へ収束した理由は、まだ残っている。
そして新しく、同一動画の再投入時には配信量そのものが大きく縮むのではないか、という仮説が出てきた。
答えが一つ見つかったわけではない。
むしろ「1000壁」という一つの疑問を追っていたら、投稿時間、入口指標、再投入と、見るべき条件が増えた。
今のところ、これがBeatroseで実際に起きたことだ。
次に見るべきものも、少し変わった。


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